Q太郎の『いぎなり怒らった』

~しみわたる一杯の水~

宮城で「ひどい」はひどくない・・・

社会人になって初めてつきあった彼女が宮城の出身で、私たちはいろいろあって縁もゆかりもない神奈川で仕事を始めたのですが、その当時可おかしかったことがあります。

 

それは(彼女が)お国言葉と気づかず全国共通の言葉だと信じ込んでいることと、それをそれとなく指摘したときの反応である。

 

「・・・えーっ?!○○○って全国共通じゃないの?!!!」

 

という具合に。

 

その後たまたま自分も宮城に暮らすことになるのですが

ときおりことばづかいの違いに戸惑い、苦しみ・・・(大げさですが)

しかしそこが面白い。

(同じ東北でこうもちがうか!)というぐらい、山ひとつ越えるとちがうのがお国のことばでしょうか

 

以下は自分がいつもしみじみ思うみやぎの言葉たちです

 

①「うるかす」
 

最初に気づいたのがこれで、おそらく東北地方では広く使われていると思います。「水分を吸わせる」という意味で、おそらく東北の人が人生で一番「うるかす」ものはなにか?と聞かれたら答えは「お米」でまちがいないでしょう。

「お米をうるかす」と言ったら米を吸水させるということです。

 

彼女のアパートで夕飯を一緒に食べようとなったときに

「お米を研いで、うるかしておかないと」

という感じでつかっていたので、

「そういえば、『うるかす』って言うの東北だけかなぁ?関西の人とか言わないよね」

というような感じで聞いてみたところ(実は東北の言葉というのは先刻承知でしたが)「えーっ!?」という反応でした(われながらシュミが悪いと思います。ゴメンナサイ)。

 

ちなみになぜそんなことがわかるかというと自分も東北出身だからです。なんとなく、(あ~、これは方言っぽいなぁ・・) というのがわかるんですねぇ。

 

②「ひどい」

 

これはたとえば、職場でよく使う住宅地図の置き場所が変わって「ひどいよねぇ」とボヤいたりします

 

他県の出身の私からすれば、

(ただ単に地図の置き場所が右から左に変わったことが、ナゼそんなにイヤだったのか…?)

と疑問でしかたなく、いつまでたってもはてなマークが消えません。しかしその人は、ただ単に「取りづらくて不便だ」という意味でつかっています。

これは東北というよりは(私が知るかぎり)宮城県で言うようです

  

はじめはさっぱりわかりませんが、宮城あたりでは、「ひどい」は「~しづらい」「やりにくい」というような意味でつかうようです。この感覚をつかむまで一年はかかりました

 

私はその後たまたま宮城に住むようになって、それから10年ほど経ちますがいまだに使いこなす自信がない、まさに「ひどい」思いをしてきました。

 

 

③「いぎなり怒られた」

 

これについては仕事をするうえで何度も耳にしたため、また耳の痛い言葉だったためにいっそう印象深くしみじみと感じるのですが、

 

ふつう「いきなり怒られた」といったら、「(予期せず)急に怒られた」「急に相手が怒りはじめた」という意味になると思うのですが、宮城の人がつかうと違います。

 

たとえばある人がお客さんの所にいって「いぎなりおごらった(怒られた)」と言ったとします

私の指示でお客さんの所にいって仕事をしてきた。その(部下の)おばちゃんが、「いや~、いぎなりおごらったよ~」と私に言ったとします

これはお客さんが突然怒りはじめたわけではありません。

お客さんが理不尽な人だったわけでも、さらさらありません。

宮城あたりでは(少なくとも私が住んでいる周辺では)

 

「いぎなり」=「ものすごく」

 

という意味になるのです

 

したがって「いぎなりおごらった」の正しい意味は

 

「急に怒りはじめた」

 

ではなく

 

「ものすごく怒られた」

 

です。

(ついでにこの場合おばちゃんは、「あんたのせいで」怒られたということを訴えたいのです)

この辺をとり違えるとえらいことになります

 

 

さきにもふれましたが宮城にきてはや10年も経とうとしていますが、いまだにわからない言葉が多い…

同じ東北の出身の自分ですらこうなのですから、職場に九州のかたがいましたがどうやってなじんだのか…と思ってしまいますが

 

しかしとても面白いですよね。私はそう思います

 

皆さんもこんなことって、ありますか?!